【森友問題】会計検査院の検査結果は?(Part-1)
今回は、森友問題に対する「会計検査院の検査結果は?」に関する記事です。
本シリーズでは、
といった内容について、会計検査院の公表資料をもとに、解説しております。
では、早速、順番に見ていきましょう。
出典:「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査院の検査結果について」(平成29年11月報告)に係るその後の検査について
https://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/29/pdf/301206_sonogo_01.pdf
「会計検査院の検査結果は?」についての結論
まずは、先に結論を申し上げます。
会計検査院の検査では、「重大な不正や問題は、指摘されませんでした。」
会計検査院の公表資料では、多少の問題点についての指摘が記載されていましたが、「適切とは認められない」、「慎重を期すべきであった」、「妥当性の検証に影響を及ぼしかねない」などの表現にとどまっているものが多く、重大な不正や問題については、指摘されておりませんでした。
しかし、この会計検査院の検査結果から、「見えてくるモノ」もたくさんありました。
財務省による公文書改ざんの関係は?
前提として理解しておきたいところですが、会計検査院は、森友問題が国会で本格的に取り上げられた後、二度も検査を行っております。
それは、財務省による「公文書改ざん問題」と大きくかかわっています。
まずは、なぜ「二度も検査を行ったのか」について見ていきましょう。
なぜ二度も検査が行われたのか
森友問題が国会で初めて本格的に取り上げられたのは、平成29年2月頃です。
それ以降における、会計検査院に関する動きについては、以下のとおりです。
- 平成29年3月、参議院予算委員会において、会計検査院に対する会計検査の要請があった。
- 平成29年3月~4月、財務省による公文書改ざんが実施
- 平成29年4月、財務省や国土交通省から、会計検査院に決裁文書などの書類を提出
- 平成29年11月、会計検査院による検査結果が報告
- 平成30年3月、財務省が改ざん文書を公表
- 平成30年6月、参議院予算委員会理事会懇談会で、財務省による公文書改ざんを受け、会計検査院が、再度、検査を行う旨を説明
- 平成30年11月、会計検査院による検査結果(二回目)が報告
上記のとおり、財務省の文書改ざんによって、会計検査院は、二度の検査を行うこととなりました。
以下、詳しく見ていきます。
財務省と国土交通省の文書の「不一致」
森友問題は、財務省の「近畿財務局」と国土交通省の「大阪航空局」が、実務を行っていましたので、国土交通省にも、「財務省の書類の写し」が保管されていました。
そこで、会計検査院の検査が始まることを知った財務省は、財務省職員が国土交通省に出向いて、「改ざん後の公文書」の差し替え作業を行ったそうです。
つまり、一連の「公文書改ざん」は、財務省だけで行ったものであり、国土交通省が「公文書改ざん」を行ったという資料はありません。
国土交通省は、財務省の「改ざん」により、「自分たちまで不正をした」とされることを避けたのか(実際はわかりませんが)、会計検査院に対し、「改ざん前」の文書が正規の文書であるとして、提出しました。
これにより、財務省と国土交通省で提出した書類に「不一致」が生じました。
なお、これについて、財務省は、会計検査院に対して、「財務省ものものが最終版」と説明しています。
「改ざん」によって、検査に支障が生じていた
つまり、平成29年の会計検査院の検査は、財務省の「改ざんなど」によって、検査に支障が生じていたということです。
さらに、財務省は、交渉記録は「廃棄された」として、会計検査院に提出していませんでしたが、実際には、職員の「手控え」として、交渉記録は残っていました。
これらの事情により、会計検査院の検査が十分に行うことができないまま、検査が終了することとなりました。
これを受けて、「それでは、いかがなものか」という声が、多数あがったことで、「財務省の公文書改ざん」も含めて、もう一度、検査を行うこととなりました。
本日の記事は、ここまでです。
明日以降の記事では、具体的な検査結果について、触れていきたいと思います。
(次回以降の記事はこちら)