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国家公務員(キャリア)の残業時間が異常な件

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大手転職サイトへの公務員の登録数は最高水準にあり、国家公務員の離職者は3年連続で増加しているらしい。特に外資系やIT(情報技術)企業に転じる20代が目立っている模様。

 出典:*1
 
国家公務員は、それほどまでに過酷なのか?
 
国家公務員とはいっても、省庁の違い等によって、残業時間は、様々だが、共通して言えるのは、「国会対応」のある本省(霞が関)は、死ぬほど激務らしい。
 
そこで、国家公務員の中でも、いわゆる「キャリア」と呼ばれる、エリート官僚について、残業時間の実態について調べてみると、こんな記事を見つけた。
 
キャリアの残業時間の実態
  • 「うつで辞める職員も多く、月の残業が300時間という者もいる」(厚労省中堅)
  • 「残業は多くて月180時間ぐらい。残業代の支給割合は課によって違うが6〜7割」(財務省若手)
  • 「忙しい月は残業が200時間を超えた。だが、翌月に受け取った残業代は10万円に満たなかった」 
出典:*2

 

自身の経験上、月120時間以上が2~3か月継続すると、本当にやばい。

 

心身に影響が出てくる。動悸がするし、ストレスで胃腸が震えるような感覚が常に付きまとう。 

 

現在、労働行政上、過労死ラインは、月80時間とされているが、上記の残業時間は、過労死ラインの2倍を優に超えている。
 
そして、もう一つ、上記の発言に違和感を感じないだろうか。
 
残業しても、残業した分の一部しか、手当が支給されていない。
 
民間であれば、労働基準法違反になり、労働基準監督署による行政指導の対象となる場合があるほか、最終的には、刑事上の責任が追及されることもあり得る。
 
しかし、国家公務員には、労働基準法が適用されないうえ、予算措置によって、年間の残業手当の枠組みが決まっているらしい。
 

「1人当たり月36時間の残業を前提に国が予算を組んでおり、長時間の残業を申請しても原資がなく認められない。公表の残業時間はあくまで支給した額に基づいたもの」(同)と、統計に出ない大量残業が存在する。 出典:*3

 

いずれにせよ、過労死ラインの2倍以上も働かされるうえ、残業代が未払いとなっている職場環境に、誰が自ら望んで行くのだろうか。
 
こんな状況では、優秀な人材など獲得できるはずがない。